SUS303とは-
SUS303は、日本工業規格(JIS)におけるステンレス鋼のグレードであり、また国際的にはAISI 303としても知られています。以下にSUS303の特徴と主な用途について説明します。
特徴:
- 耐食性: SUS303はステンレス鋼であり、一般的な大気中や一部の化学環境下での酸化や腐食に対して優れた耐性を持ちます。
- 加工性: SUS303は加工しやすい特性を持ち、機械加工や切削加工などのプロセスに適しています。これは、SUS303に含まれる硫黄(S)とセレン(Se)の添加によって、切削時の切りくずの形成を助けるためです。
- 磁性: SUS303は一部のステンレス鋼と同様に磁性を持ちます。そのため、磁気応用や磁石との相互作用に適しています。
主な用途:
- 機械部品: SUS303は機械加工が容易であるため、さまざまな機械部品や精密部品の製造に広く使用されます。軸、ネジ、ボルト、バルブ、スプリングなどの部品に適しています。
- 自動車産業: SUS303の耐食性と加工性は、自動車産業においても重要です。エンジン部品、シャフト、バルブトレイン、ステアリングコンポーネントなど、さまざまな自動車部品に使用されます。
- 電子機器: SUS303は電子機器の部品としてもよく使用されます。コネクタ、端子、ハウジングなどの部品に適しており、耐食性と機械加工性が求められる環境で優れた性能を発揮します。
ただし、SUS303には注意点もあります。硫黄とセレンの添加によって切削加工性が向上する一方、耐食性が低下する可能性があるため、特に塩化物イオンを含む環境では注意が必要です。また、SUS303は一般的なステンレス鋼よりも加工性が向上しているため、比較的柔らかい材料として扱われることがあります。